• 2024.5.13
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豆腐(封入水)の腐食に対応した車内クリーニング(脱臭)  特別な事例

宮崎市にお住いのN様から、日産 セレナの車内クリーニングのご相談をいただきました。今回は非常にまれなケースです。お客様からお電話をいただいた際、「豆腐のニオイ取れますか?」に思わず笑ってしまいました。

クルマの中で豆腐料理を食べて、こぼれたものがいつの間にか腐食したのかと。そうであればその部分をきれいにして、車内全体をオゾン脱臭すれば問題ないだろうと考え、一度拝見させてくださいとご回答したところです。

現状確認

お客様から「豆腐」がどういうものかご説明いただきました。一般的なパックに入って密封されているものではなく、ナイロン袋に入って、袋の口が赤いテープで閉じてある、いわゆる「田舎どうふ」というものです。その豆腐を運転席の下に置いていたら、袋から水(「封入水」というらしいです。)がこぼれて広がったとのこと。その時点では特にニオイはなかったのですが、2~3日経ってから強烈なニオイが漂ってきたらしいです。どうもその「封入水」が腐食したのではないかと考えられます。

これまでは、原因となる固形物等があり、目視と嗅覚によって場所を特定することが一般的でした。しかし、今回は「ニオイ」をたどるしか場所を特定することができません。ある程度はお客様へのヒアリングから場所が推定できましたが、なんとなく広範囲に施工するのではなく、やはり場所を特定し、集中的に施工することによって、原因となるニオイの元を取り除くことが必要です。

ただ、今回の頼りは、私の鼻、嗅覚です。自分では気づいていませんが、自宅では年々「加齢臭」が増してきているとの教育的指導も受けています。気を使うようになった「年ごろ」ですが、今はそんな個人的なことを考えている余裕はありません。満を持して場所の確定に臨みました。

フロアマットをめくり、樹脂パーツを外し、フロア全体を犬のようにくまなく嗅ぎまわり、テープで『マーキング(犬のおしっこではありません。)』すること約2時間、ようやく場所を特定しました。

施工第一弾

さて、ここからが問題です。通常は固形物を取り除き、カーペットにしみ込んだ水分をアルカリ電解水を使いながら、クロスと専用の掃除機で拭き(吸い)上げるのですが、レール・座席シート・フロアの接合部分などが複雑になっています。これまでの平面的な事例と違って立体的な奥行きがあるのです。特に厚みのあるスポンジがどれくらいの水分を吸収し、拡散しているのか。写真のように取り出せる部分は表に出せるのですが、シートの下などはそういうわけにはいきません。困りました。考えてばかりでは先に進みません。内装(天井・シート・フロア)の脱着洗浄を得意にしている知り合いの業者さんへ相談しましたところ、今回の1BOX車では、シートを外し、フロアシートをめくるとなる場合、相当な時間と労力が必要とのことです。

実は、弊社への相談前に、ガソリンスタンドにご依頼されたらしいのですが、ほとんどニオイは取れなかったとのこと。これ以上時間と費用を掛けることは得策ではないので、「バイオ洗剤※」の分解パワーに期待して施工することにしました。なお、場合によっては、スポンジ部分・フロアシートを断裁し、きれいなものと張り替える。結果的にフロアシートの上には厚みのあるフロアマットを敷くため、継ぎはぎ部分は表に出ません。マットがレールのスキマを密閉してくれるので、ニオイを遮断してくれるのではないかとの期待もあります。

※「バクテリア」と「酵素」での分解による洗浄・消臭。環境にもやさしく、CRI認証(米国)を取得している独自の臭気抑制技術(OST)を有する洗剤。

嗅覚を研ぎ澄まし、手が届かないスキマにも専用の機器を用いて洗剤を注入し、ニオイを取り除きます。作業と乾燥の手順を何度も繰り返すことによって、場所が段々と狭くなり、ニオイも薄くなり、手ごたえをつかんできました。

ところが、どうしても手の届かないスキマ奥からのニオイが消臭できません。なぜなら迷いながら作業しているからです。洗剤を入れすぎると乾燥できない、残った洗剤がカビなどの元になって、新たな臭いの原因を作り出すことになるのではないかとの心配です。このままでは、次の手順としてニオイが取れないフロアシートとスポンジを断裁し、新しいものと継ぎはぎをしないといけなくなってきます。あまり得策ではないのでその作業をしたくはありません。

一旦、ここまでの作業をしてお車をお返しすることにしました。ニオイは薄くなってきましたので、バイオの分解力に一途の望みをつなぎ、来週末の状況を確認し、次の手順を判断します。

翌週の準備

さて、翌週の施工まで時間ができました。ただ、経過を待つにはもったいない時間です。研修を受けたバイオ洗剤のメーカーへ連絡し、状況を相談してみました。そうしますと、①スポンジ部分への施工方法、②使用する洗剤の適量、③残留洗剤の考え方について、目からウロコのアドバイスをいただきました。さらに、とっておきのバイオ洗剤があることも・・・。早速、洗剤と機材を購入し、準備を整えました。

施工第二弾

前回の施工から1週間経過しました。ある程度のニオイは取れていますが、やはり何となく臭います。早速、購入したバイオ洗剤(強力バージョン)とメーカー直伝の作業を施工します。今回は迷いはありません。施工すること約3時間、ニオイがほとんどなくなりました。これなら違和感はありません。お客様もご納得のご様子です。

豆腐(封入水)との長い格闘がようやく終了しました。今回は、正直大変でした。しかし、お客様に喜んでいただけるとその苦労も報われます。そして、何よりも知識・スキルの向上が自信になりました。もうある程度のニオイには対応できるという変な自信です。メーカーさんへ報告しますと、その経験一つひとつを積み重ねることが成長につながる、いい経験したねとのコメント。少しうかれてしまいそうですが、まだまだそういう域に達していないことは自分がよく知っています。

その後の経過

約2週間後にお客様へご連絡してみましたところ、ニオイは気にならないとのことですが、顔を近づけると若干臭う部分があるとのこと。これも想定内です。ニオイの部分がより特定されますので、その部分を施工すれば、さらに原因は取り除かれていきます。お客様にはお時間があるときにお寄りいただくようお願し、引き続きアフターフォローに務める旨をお伝えしているところです。この度は、特殊な状況の中弊社へのご用命、また、2週にわたりご足労いただき、誠にありがとうございました。

ニオイの対応

様々な状況に遭遇しますと慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いて対応すれば元の清潔感を取り戻すことは可能です。なお、無理をせず次の応急処置を施した上で、専門のクリーニングをご依頼されることをおすすめいたします。

①原因となるもの可能な限り素早く取り除く、②範囲が拡大するため、水分や洗剤を大量に使用しない、③その場しのぎで、消臭スプレー等を使用しない、④十分な喚起をする、⑤専門の業者へ連絡する。

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