- 2025.5.6
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洗車キズとガラスワイパーキズの磨き
宮崎市にお住いのA様から、三菱エクリプスクロスの洗車キズとガラスのワイパーキズについてご相談がありました。
キズの状況
お車を拝見しますと確かに円を描くような洗車キズがボディ全体に入っています。ボディがパールホワイトのため一見わかりずらいのですが、昼間の太陽の下や夜間の街灯の下で特に気になるとのことです。また、フロントガラスにもワイパーキズが入っています。
鹿児島のディーラーで取り扱っていた車を取り寄せたとのことから、火山灰が降った後にそのまま洗車機に入れてしまったことが原因なのではと推測されます。


ボディの磨き
当社の磨きは、コンパウンド(研磨剤)が入っていないもの、あるいはごくわずかに入っているものを使用していますので、クリア面をほとんど削りません。キズの修復というより、ボディに蓄積された不純物(水垢・ウロコ)の除去を目的としています。
しかし、今回は洗車キズを消す※ことが前提です。コンパウンドでキズを埋めるのではなく、クリア面を薄く削らなければ根本的なキズは消えないため、通常と違ったポリッシャーとコンパウンドを組合せながら施工します。※「消す」というと語弊があるかもしれません。消すというより目立たなくするという言い方が適切かと思います。
言葉で説明するより実際に見ていただく方が分かりやすいため、目立たないところでデモ施工をしてみます。おおまかな線キズは消すことができましたが、残ってしまう深いキズがあります。その深いキズを消すためにさらにポリッシングを重ねることはできますが、その分クリア面が徐々に徐々に薄くなります。ちょっと気を抜いてしまうと塗装面を削ってしまうことにもつながりかねません。
以上のように補足説明を加え、どの程度のキズだったら気にならないかを確認した上で仕上がりを共有しました。
施工の前後
普段よりも小さな面積に区分し、キズの状況を確信しながら丁寧に施工しました。施工の前後を写真で比べますと、線キズが目立たないことや反射されているライトの輪郭が鮮明になっていることがわかるかと思います。このようにボディ全体の洗車キズはある程度消すことができました。



キズが消えたので施工完了ではありません。実は、洗車キズを消すために使用したコンパウンドは結構荒いものを使用しています。そのため直接的には分からないかもしれませんが、細かいキズによって塗装肌(クリア)が荒れているのです。太陽の下でみるとギラギラとオーロラが出ている場合もあります。よって、次の工程ではこれらの荒れを取り除き、なめらかな仕上がりになるよう肌調整のポリッシングをしました。
ワイパーキズの施工
工程は前後しますが、ボディの前にフロントガラスのワイパーキズ消しを施工しています。こちらは火山灰がついたままワイパーを掛けたものだと思います。施工前後の写真では比較しずらいので掲載はしていませんが、キズを消す考え方はボディと同様です。ただし、ガラスはさらに繊細なため、深いキズを追っかけるようにポリッシングしますと部分部分でガラスの厚みが変わってくると考えられます。こうなりますと太陽やライトの乱反射によって運転に支障が出てしまいます。
ガラスキズによくあるケースとして、深い線キズが1~2本あり、その周りに浅いキズが無数にあってワイパーが通る部分がモヤモヤとしているパターンです。この場合、無数にある浅いキズを消すように施工します。そうしますとモヤモヤ感がなくなるため、深いキズは残っても不思議と気にならなくなります。場合によっては、ガラスコーティングでそのキズが目立たなくなることもあります。
ルーフのクリア割れ

ルーフにクリアの割れがありました。カッターで切ったようなキズ(3~5cm)が複数本入っています。このままの状態にしておくと直射日光によって、そこからクリアがはげてくる可能性が高いと思います。
よって、お客様にその部分にペイントプロテクションフィルムを貼ることをご提案しました。ただし、今後、お車の売却等に伴ってフィルムを剥がす場合、フイルムと一緒に痛んだクリア剥がれるリスクがあることを補足しています。それでも何もしないでクリアがはげる可能性よりリスクは少ないはずです。
お車の施工が完了し、お客様からはボディ・フロントガラスのキズが全然気にならなくなったと笑顔のコメントをいただきました。一度きれいにリセットできたので、これからこまめな洗車をしながらケアしていきたいとのことです。
中古車を買われた場合、どのような環境で前オーナーがどのように手入れをしていたのか明確にはわかりません。なお、高価なクルマを長い期間所有されるのであれば、今回のように一度リセットし、自分のスタイル・好みでお手入れできるよう準備することは、楽しい「車のある生活(カーライフ)」のきっかけになるのかもしれませんね。この度はご用命いただき誠にありがとうございました。

